意志ではなく“設計”があなたを座らせている
「座り過ぎは身体に悪い」
そんなこと、もう誰でも知っている。
けれど僕らは、今日もまた座っている。
しかも、無意識に。
なぜか?
それは、座りたくなるように設計されているからだ。
これは単なる“怠け”ではない。
アルゴリズムとマーケティングが、“あなたの行動”と“姿勢”を同時に支配している。
つまり、僕らは「座る」ことすら自由に選べていない。
この現実に気づくことが、最初の一歩になる。
✅ 僕らはSNSでモノを買う
座り過ぎを生む“幸福ホルモン”の仕掛け
スマホを触っている時、SNSを開いた時、動画を再生した時、、
脳内ではドーパミンが分泌される。
これは「報酬予測物質」と呼ばれ、次の快楽を求めるために動きを止める。
・SNS:スクロールするごとに“新しい刺激”が届く
・動画:サムネイルで“報酬予測”を発生させる
・課金:小さな成功感で“自己報酬回路”を満たす
つまり、現代の情報社会は、
「立つ・歩く」という生理的報酬よりも、
「座る・見る」で得られる脳内報酬のほうが強く設計されている。
行動経済学的に見れば、これは「強化学習」。
歩くよりも、座る方が“得”に感じるように仕組まれているのだ。
✅ 老化負債
サブスクが作る“座り消費社会”の構造
Netflix、Prime Video、YouTube Premium。
月額千円ほどで、1日中座っていられる“合法的依存装置”。
デジタル経済の本質は「滞在時間=収益」である。
人を立たせるより、座らせておくほうが儲かる構造になっている。
視聴データ、クリック履歴、視線トラッキング。
AIはあなたの「離脱タイミング」を学習し、
次の動画を“最適なタイミング”で差し込んでくる。
つまり、僕らは“ソファに固定された顧客”。
マーケティング的に言えば「座るほどにLTVが上がる存在」だ。

“推し活”と課金依存の二重構造
推しライバー、オンラインライブ、リアル配信
それらは「共感マーケティング」と呼ばれる。
ここで座り続けてしまう理由は、“つながり”が報酬になっているから。
行動心理学的には、
「仲間と同じ時間を共有する=社会的報酬」
推しを応援する行為は幸福感をもたらす。
だが、その幸福の多くは座位行動(sedentary behavior)によって得られる。
つまり「座って共感する」構造だ。
愛情と課金と座り時間が、ひとつの経済圏にまとめられている。
✅ 人類にとって「推し」とは何なのか

副業・在宅ワーク:成功の裏で進む「血流の貧困」
ブログ執筆、動画編集、デザイン、ライティング。
“新しい自由”を求めたはずが、実際は新しい座り地獄に変わっていないか?
1日8時間以上の座位時間がある人は、
全死亡リスクが1.27倍、心疾患リスクが1.5倍になるという報告がある
(出典:WHO「Global Physical Activity Guidelines, 2020」)。
血流の滞りは、集中力・代謝・免疫までも落とす。
副業で収入は上がっても、健康資産は確実に減っている。
これが現代のパラドックスだ。
「頑張るほど、動かなくなる。」
動かないほど、心身が衰える。
✅ 座り仕事の疲れがぜんぶとれるコリほぐしストレッチ
マーケティングが作る“座るための世界”
現代マーケティングのゴールは「摩擦の排除」。
購買、閲覧、学習、投資、、、
そのすべてを「ワンクリックで完結」できるように最適化されている。
つまり「座ったままでできる行動」こそが、最も利益率が高い。
GoogleのUX設計も、Amazonの1クリック購入も、
ユーザーの「移動コスト」を最小化する。
だが同時に、「身体を使わない社会」を加速させる。
立たなくても、世界が回る。
けれど、人間の身体は回らなくなる。
これが、21世紀最大のマーケティング皮肉だ。
✅ 「座りすぎ」ケア完全マニュアル
それでも歩け:5分の運動が脳を再起動する
京都大学の研究(2022)では、
たった5分間の軽いウォーキングでも、脳血流と認知機能が向上することが確認されている。
歩くことで、
・ドーパミン → 前向きな意欲
・セロトニン → 精神安定
・エンドルフィン → 幸福感
が分泌される。
つまり、「座って得た情報」を、
「歩いて整理する」ことで初めて脳が整う。
歩くことは、情報社会で生き抜くデトックス行為なのだ。
心が重い日こそ、立って外に出よう。
5分のウォーキングが、あなたの“リセットボタン”になる。

まとめ:マーケットに奪われた“身体の主導権”を取り戻せ
・座り過ぎは意志ではなく、仕組みの問題
・ドーパミン設計・アルゴリズム・サブスク構造が人を座らせる
・歩かない社会は、経済的に都合が良い世界
・だからこそ、立つ・歩くという“逆行動”に意味がある
健康とは、マーケティングに抗う勇気だ。
歩くことで、身体の主導権を取り戻せる。
僕たちは、座らされる側で終わってはいけない。
立ち上がることが、最大の反逆。
「座らされているうちは、人生を動かせない。」
ほんの5分の“立ち上がり”が、あなたの未来を動かす。
✅ 歩く
